宝物の贈り物

宝物の贈り物

もう昨日の事になっちゃうけど、僕はしばらく会おう会おうと言っていてなかなか会えてなかった友達に会って一緒に飯を食いました。
その友達は、以前に半年くらいの間一緒にプレイしたドラマーでした。
しばらく会ってなかった間に彼は、あるバンドのメジャーシングルでサポートドラマーとしてドラム叩いてたりして、いきなり進展していたことがあってびっくりしたんですが、そんな彼は今、音楽を引退してしまっていて、きれいな奥さんとかわいい二人の娘と幸せに暮しています。
聞けば、今は仕事中心の日々にシフトしてきて、ドラムをプレイする時間も激減したし、そんな中で叩いてもやっぱりプレイに満足できないから、とのことで、きっぱり音楽を辞めたそうな。きっとプロ意識が高い人なんだと思う。決断に男気を感じました。
美味しい飯を食いながら、僕も自身のバンドCoyoteのことを彼に話しました。
すると彼は、
「スネアドラム、使う?」
と唐突に聞いてきました。
僕は感激しました。
自分がかつて魂を注いだ宝物を、バンドに譲ってくれるというんです。
ドラマばりにちょっと熱い一コマでした。(彼が大きく見えた。)
やっぱり楽器は、押入れにしまってしまうより、鳴らしてあげるのが一番いいと彼は言いました。
楽器、音楽に対する愛情みたいなものを感じました。
そして、
僕は彼に「絶対夢を叶えてみせる」と告げ、冷たい雨の中、またお互い違った生活の中へと別れていきました。

大切に使わせてもらわなきゃね。
録音に、ライブに、愛情をもって、音を鳴らさせてもらおう。
コタローが。
ラジオかなんかに出たら、このミニドラマをいつか話そうかな。
コタローが。