3分半の宇宙との格闘

   【録音に想いを馳せる】
今日は「ヒロイズム」という曲のレコーディングでした。
5時間のスタジオワークのあと、家でミックスを5時間。
はっきり言って、10時間も同じ曲聴いていると、曲がいいのか悪いのか客観的に判断できなくなってくる。
レジ打ち続けていると、お金をお金と思わないで作業している、みたいな感じです。笑
クタクタのボロ雑巾になりましたとさ。
   【好きだからやってるんじゃないのか?】
ライブをする時には、楽しくというのを結構モットーにしておりますが
曲を産み出す瞬間
曲を閉じ込める瞬間
に関しては、「好きを越えた苦しい感情」で向き合うことが多いです。性格かな…。
言ってみれば、「宿命」に向き合う感じです。
録音は、だからいつも楽しさよりも大変な点が多いです。
持てる技術と燃える魂を駆使して、神経をすり減らしながらその時点で最高の演奏を試みる。
3分半の宇宙との格闘。
大抵、複数回のテイクを重ねて(時には100回近く)、納得のいくテイクに出会う。出会えないままのこともしばしばある。その時は、止めるか方法を変えるしかない。だけど、運がよければ演奏の中で新しいフレーズを生み出したり、楽曲の新たな一面の発見もできる。この時点でかなりの時間が費やされます。…と思ったら、録れた曲をまた「ミックス」しないといけない。これが曲者なんです。
今日の僕が、それです。
レコーディングはなんとか終わったものの。
ミックス
納得がいかず、明日またリベンジ予定…
一筋縄ではいかない。
   【ご褒美もあります】
1 録音した曲は必ずと言っていいほど上手くなる。
大抵の場合、テイクを何回も重ねるし、テイクを重ねないで済む曲は元々出来ているから、精度が上がる。
2 アレンジを考える力が上がる。それは隙間の埋め方のセンス。全体を見て、部分を知る。
3 録音終わった時の「ひと仕事終えた感じ」。雲が晴れる感じに似ています。これはメンバーがいた方が、さらに喜びは倍増しますね。
4 いよいよミックスが終わり、最終調整まで頑張った後は、作品として残ります。
先月作った録音「星になれたら」は時間かけただけあって、何人かの方にお褒めの言葉を頂きました。当初ミリ単位の調整が、後々響いてくるんですね。



本当にありがたいことです。
色んな事に自信のない僕には、どれだけありがたいことか…

というわけで、明日もヒロイズムと向き合います。
「自分の最大の敵は、自分」だと、最近とても痛感。